98年春・阿蘇悠々自適ツーリングレポート

「阿蘇遊び三昧ツーリング」(1/2)

期間:98年4月25日〜5月2日

久住高原のストレート
  ■4月25日(1日目)
 大阪から九州へフェリーに乗らず走って行く、というのが今回の目的の一つ。高速であっと言う間に山口県へ。
 山口県岩国の錦帯橋を見に行くと、原付に乗ったおばちゃんに声をかけられた。どこから来たの? に始まり、錦帯橋の説明をこと細かにしてくれる、とても朗らかなおばちゃん。「すごく詳しいですねー」というと、「ここでガイドしてるんよ」というオチで大笑い。旅の緊張をいきなりほぐしてくれたおばちゃん、ありがとう!
 「朝日を浴びて関門海峡を渡る」という夢を実現させるため、今日の宿は下関のビジネスホテル。行ってビックリ、1階がパチンコ屋で2階がサウナというエライとこだった。
 駐車場係のおじさんに、「バイクここに置いて大丈夫ですかね」と何度も念を押したところ、いろいろホネを折って場所を探してくれた。おかげでサウナでくつろぎ、バイクも無事。ところによってはバイクが邪険に扱われることもあるため、こういう親切はとてもうれしいのだ。おじさんに感謝。

■4月26日(2日目)
 6時に出発。下関から関門海峡を渡り、念願の陸走による九州上陸! ライダーと交わすピースサインがうれしい。やっぱり九州はええよなあ、とニコニコ顔になる。空は快晴、気分は最高、阿蘇へ向かって出発!
 やまなみハイウェイを風になって走る。まずは、いつも行く、くじゅう自然動物園へ。ここにはラマ、ロバ、ヤギ、ヒツジ、シカなんかが放し飼いされていて、直にエサをあげられる。ぼくの大好きな遊び場なのだ。入っていきなり動物たちに取り囲まれ、エサをあげながら、ふれあった。
 次は一路、大観峰へ。やまなみハイウェイを駆け抜けると、一面の緑が広がる。草原に覆われたミルクロードが現われた。モンゴルを思い出して、胸がいっぱいになる。草原の向こうに、一緒にツアーに行ったみんなのバイクが見えたような気がした。このまま柵を越えて、草原の中を走りたい。やはりここはモンゴルに一番近い所だ。
 大観峰に到着。ここは阿蘇五岳がはっきり見えるビューポイントなのだ。日曜ということで、すごいバイクの数。そして日差しが強くて、とても暑い。ジャケットを着てるのがイヤになる。このあと何回もこの場所に来たが、この日が、一番きれいに阿蘇が見えていた。左右を見回すと、壁のようにそびえ立つ外輪山の姿があり、圧倒される。何度見ても、その姿には感動してしまう。
 ここの食堂で昼食。気になっていた「だご汁」を食す。ほうとうみたいな感じの、ひらべったいうどんのようなのが入っていた。
 次は草千里。あの山に登るぞー、とクネクネの峠を下り、北海道みたいなストレートをひた走り、阿蘇坊中線に突入だ! ここで今日の宿泊地、防中キャンプ上にテントを張る。隣に足立ナンバーの人が張っていた。夜には友人になれるだろう。
 再び草千里を目指す。料金所を過ぎると牛や馬の姿が見えてくる。米塚は相変わらず滑らかな円錐形の姿で出迎えてくれた。
 ついに草千里に到着。阿蘇らしい緑の風景が広がり、ここをバイクで、ばばばっと走りたくなる。それはできないんで、馬でパカパカ行くことにする。
 さらに上の噴火口を見に行く。ガス注意の警報が出ていて、実際ちょっとのどが変な感じだった。生きた噴火口を見ていると、吸い込まれそうでちょっと恐い感じがした。
 夜、坊中キャンプ場。昼間いた足立ナンバーの人たちと話ながら、夜食のラーメンを食べてると、見知らぬおじさんおばさんが、山菜の天プラやハムをごちそうしてくれた。立ったままラーメンを食っているぼくの姿が可哀相だったから、と後で教えてくれた。
 北斗七星を見上げながら、こうやってメシをおごってもらえるのも、ある種の才能やなあと思った。

■4月26日(2日目)その2
 阿蘇坊中キャンプ場で知り合った東京足立ナンバーの兄ちゃんの話。昨日、林道に行き調子よく20キロ進んだ地点で行き止まりをくらったそうな。時すでに夕方ということで引き返すこともできず、その場で野宿。闇の中、ランプで当たりを照らすと猛禽類の目が赤く輝き、狙われている! と身の危険を感じたとのこと。
 結局、その恐怖に熟睡できず、朝日と共に急いで撤収してきたと言ってました。
 また、このキャンプ場の管理人のおじさんは、戦後すぐに、開発途中のバイクのテストドライバーとして日本一周をした人で、とても親切な「山男」でした。「日給55円の時の300円のバイクだ」という自慢話は、実感はわかんけど、なんかスゴイッス!

■4月27日(3日目)
 早朝、阿蘇に登ると、道路の真ん中で10頭ほどの馬に囲まれ、バイクが進めなくなった。まさにノラ馬状態。馬車ウマ系なので馬体がデカく、さすがに恐かった。でもうれしかった。
 この日は、やまなみハイウェイの支線になる農道や県道を「カントリーロード」を歌いながら走り回る。ぴったりの曲やと思った。走り回りながら、どこが一番モンゴルに似ているか探したのだが、やっぱり、やまなみとミルクロードが交差する当たりが一番似ていた。モンゴルのような風景を探しては、写真をバチバチ撮る。
 夕方コンビニに行くと、昨日のキャンプで知り合った東京足立ナンバーの兄ちゃんと再会。今日どこ走った? という話が盛り上がり、さらに鹿児島のDF200の人が加わってライダーの輪が広がった。一日中人としゃべらなかった分、チャンスとばかり、口が勝手にしゃべるのだ。
 この日は贅沢してホテルに泊まり、馬刺しを食って、温泉につかり、大満足。


阿蘇・草千里で馬に乗る

早朝阿蘇に登るとノラ馬状態!

やまなみの支線はローカルでおもしろい

ミルクロードから見た九重のやまなみ

ミルクロードはモンゴルに似てる

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