紀州ローカル道 梅の旅
紀州には早くも春の便りが届いています。暖かい日差しを求めて南紀へ向かうとしましょう。
この時期、国道42号線の南部川村周辺は、梅の香りに包まれます。この辺りから日差しが強くなり、冬用のライディングジャケットが暑く感じられます。春を感じることができ、心弾む想いです。ここからさらに南下して、目的地である田辺梅林へと向かいます。
何と言っても楽しいのは、国道42号線から上芳養石神に向かう白梅街道です。梅の花が居並ぶすぐ横を駆け抜けると、歓迎されているような気分。山肌が一面真っ白に染まる景色を見つけたら、立ち止まりぼーっと眺めてみます。お花見しながら、のんびりと走ることができるカントリーロードなのです。細いローカル道を心地よくワインディングしながら、梅の花を見物できます。
尾根道まで出てくると、青い空が近付き、手招きしてくれるようです。梅林まであと少し。
目の前に真っ白な景色が広がれば到着です。標高約400mの大蛇峰の斜面に、一目30万本と言われる梅林が広がっています。
ぼくが行った時のお話です。梅林の入り口でマスツーリングの一団とすれ違い、ピースサインで挨拶。すると、後ろからおばあちゃんが出てきて、「バイクは怖いねー」と、バイク乗りのぼくに話かけてくれました。「天気の良かったおとついまでが真っ白できれいだったのに残念だねえ。大蛇峰にできた天満宮はなんでもお祈りできるからありがたいよ。」と、ニコニコ笑顔で話してくれました。こういうふれあいが一番うれしいですね。
さて、ここまで来たらその大蛇峰に登ってみなければ気が済みません。十分程で展望台まで登れるのですが、傾斜がきつく息が切れます。ただし、それだけの苦労をした甲斐があって、遥か遠くに輝く海が見え、山肌全体を白い梅がおおっている姿がよく判ります。
見頃は2月下旬から3月上旬です。
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