北海道ツーリング2012・その8 


天塩から見た利尻島の夕焼け

旅行期間:2012年8月1日〜8月12日 全走行距離2909.9km


■8月8日(8日目) 霧雨のち晴れ
 東神楽の朝5時。
 テントが雨粒に打たれるような音がしたので、外に出てみると、霧で真っ白。

 そうや、この北海道の内陸部では結構こうなるんよなあ、と寝起き頭で思い出す。

 公園を散策し、恐竜のオブジェに「おはよー」と挨拶して、テントへ戻る。

 散歩で目が覚めてしまった。
 6時前に朝飯。定番の筋子おにぎりとシナモンアップルとカスタークリームパンで軽くすます。
 今日のターゲットは、青空と海鮮丼。日本海側出て、エビを食いまくるぞぉ!

 いつまでたっても、霧が晴れそうにないので、濡れたままテントを撤収。途中、どっかで乾かそう。


 旭川を抜けて、日本海側へ出るルートをとったら、町の中でえらい時間をくってしまった。

 最近は信号が少ない所を走ってたので、町の朝は渋滞するっていうのを忘れてた。

 ようやく郊外に出ると、車もまばらになる。霧も晴れて、見上げる青空には月が出ている。なんや、ええ感じやなあ。


橋桁の下で朝のコーヒータイム

 道沿いに「明日萌駅」の看板を見つけたので、どんな所やろ?と、ちょっと寄り道。

 NHKの朝ドラ『すずらん』のロケ地になった場所だと、案内板には書いてある。

   突き当たりまで行くと、古びた木造の駅舎と旅館が立っていた。ここがロケ地のようだ。

 誰もいないので、駅舎に入ると、木造の板を踏むギシギシという音がする。おいらの体重のせいじゃないっスよ。

 駅舎や線路の写真をバシャバシャ撮るって、好奇心は満たされた。

 さあ次へ行こうか、とバイクに戻ると、どこからともなく現れた番頭姿のおにいさんに声をかけられて、ビックリ!


すずらんのヒロインとツーショット


レトロな雰囲気が漂う建物
 駅の向かいに立つ古い旅館は、中が資料館になっているとのこと。番頭姿のおにいさんは親切に案内しながら、いろいろと説明してくれる。

 でも、こちらは何の予備知識も持たずに、ブラリと立ち寄っただけなので、なんだか申し訳なくって。

 おいら自身、好きな映画やテレビドラマのロケ地めぐりをすることがあるので、おにいさんの情熱がよく分かる。

 このドラマに思い入れがある人にとっては、大事な場所なんだろうなあ。


 明日萌を後にし、留萌に向かって、道道549号をひた走る。青空の下を走るのは気分が良い。

 途中で「恵比島峠」と書かれた看板を発見し、急ブレーキ。

 なぬ?エビジマ? これはもう、思う存分エビを食いまくれ!ってことやな、と一人で爆笑する。

物干しになったアクロス
 よっしゃ、エビだ、エビ祭りだぁ!と張り切って走り、留萌は目の前。

 と、その前に、朝から気になっていたテントを干すため、パーキングへ。

 暑いくらいの日射しなので、15分ほどで乾いてくれた。これで用事も終了。心おきなく、エビ丼へ突撃だぁっ!

 道の向こうに青い海が広がった!
 はるばる来たぜ日本海。

 増毛に着いたら、行くところは一つ。甘えび丼の「まつくら」だ。

 開店早々の店前に到着。しかし、すでにバイクが2台停まってる。



これが噂のジャンボ生ちらし
どっから手を付ければ、ええんやあ?
 
 おいらを含めて3人のライダーが、まつくらのカウンターに横並び。いざ、海鮮丼にチャレンジ!

 右隣りのライダーは、ジャンボ生ちらしを注文。こりゃあ、刺身のチョモランマや。これは記念に1枚と思い、お願いして、写真を撮らしてもらう。

 しかし、今までメニューでは見ていたけれど、実物はものすごいマウンテン! ほんまに完食できるんかなあ。


 おいらはもちろん甘エビ丼。
 これ食うために、朝から130km走ってきましたよ。22尾の甘エビを腹の中に納めて、大満足。これが証拠のシッポだす。
 となりを見ると、山のようだったジャンボ生ちらしが消えている。すごい、完食してはるわ!

 腹いっぱいになったので、増毛の海を眺めて、記念撮影。食ったどー!と叫んでみる。

 ここの海は、本当に青が深くて美しい。そして甘エビは大きくて美味しい。


 あんまりにも良い天気なので、うれしくって仕方がない。

 前半は曇り空続きだったので、その反動で、青い海と空の写真を撮りまくりだぁ! バシャバシャバシャ。

 撮るもん撮ったら、次はエビ。まだまだ食うぞ甘エビを。おかわりを求めて、さらに北上だぁ。おいらちょっとコーフンぎみかも(笑)。


目に染みる紺碧の海

この船で何を捕るのかなあ


 青い海と青い空の景色を追いかけて、どこまで北へ北へ。

 風車が立ち並ぶ道を走っていると、海の向こうに、うっすらと利尻島が見えてきた。

 日本の最果てに近づいてるんやなぁ。


 苫前に来たら「とままえだベアー」と記念撮影。

 なんべん来ても、飽きずにこのツーショット写真を撮ってしまう。

 最北端へと向かう国道沿いに立つ巨大クマ! なぜだか愛着を感じてしまうのであーる(笑)。

 クマの次はエビ!
 エビ丼のおかわりを目指し、とままえ温泉のレストラン風夢へ突撃!


 レストラン風夢のエビ丼は、苫前産の甘エビが15尾。しかも頭付きなので、迫力満点!
 エビ好きのおいらは、ミソまでチューチューと食べてしまう。

 途中、ウニ丼の看板に惹かれた心を振り切ってよかったなあ。

 本日はエビ日和。甘エビ37尾完食也!



天売島と焼尻島を遠望
 高台にある道の駅からは、青い海に浮かぶ平べったい天売島、焼尻島が見える。

 方角を少し変えれば、富士山型の利尻島も眺めることができる。


利尻島の美しいシルエット
 青い海 浮かぶ島影 北の空

 白い雲が広い空に大きな絵を描く

 いやはや、絶景かな、絶景かな


 さらに北へ。羽幌へ向け走っていると、日本海えびタコ街道という看板が立っていた。
 おいらにとっちゃ、甘エビ街道ですなあ。わはははは〜。

 走れば走るほどに、利尻島が近付いてきて、はっきりと見えてくる。
 ほんとに今日は天気が良い。こりゃ、夕日も期待できそうだ。

 と思ったのも束の間。初山別あたりから曇り始める。おーい、もうちょっと晴れててくれ〜。


 天塩に到着。以前テレビで紹介されていた、マヨネーズ容器に入ったプリンを求めて、天塩温泉へ。

 一口食べて、視覚が味覚に影響するもんだと実感。マヨの容器だと、どうしても頭の中では、あのマヨネーズの味を予測してしまうのだ。

 でも、食べると甘いカスタードプリンの味なので、頭の中はちょっと混乱、へんな感じ。(笑)

 とはいえ味はプリンなので普通に甘くて美味しい。視覚と味覚のギャップを楽しむスイーツだね。


 
 そろそろ5時前。今日は、温泉に隣接する鏡沼キャンプ場に泊まって、夕日の利尻島を狙ってみよう。

 まずは温泉へ。ゆったり湯に浸かって、いい気分。
 風呂から出て服を着て、貴重品ロッカーを開けようとしたら、キーがない。あっ、洗い場で邪魔だと思って外して、忘れてきた!
 あわてて、また服を脱ぎ、風呂場へ入り、キーだけ取って出てくる。いんや〜気恥ずかしぃ〜。

 風呂上がりに外へ出ると、空がオレンジ色に染まっていた。

 急いでアクロスに乗り、夕焼けのポイントを探す。すぐそばの漁港に行ってみるも、イマイチ。やっぱり、以前撮ったことがある原っぱへ行ってみよう。

 原っぱから見ると、オレンジ色に染まる海と利尻富士がシルエットが素晴らしい。やっぱり、この場所ですなあ。

 アクロスや自分を入れた写真をバシャバシャ撮っていると、夕焼けを見に、車でやってくる人たち。キャンプ場からも人が出てきた。みんな夕日が好きですなあ。


だるま夕日というか、ホタテ貝型の夕日が海に沈んでゆく。こりゃ絶景ですなあ。

 夕日が海に沈んだあとは、大きな空のスクリーンに展開される夕映え。
 オレンジ色が刻々と色を変え、紫色に変わり、そのうち星が瞬く夜空へと変わる。

 天塩の夕焼け劇場。40分間の上演、お見事でした。


 さあ、次は飯だ飯だ。

 今夜のメニューは、牛カルビ200g、豚カルビ200、ポテトサラダ200g、もやし。本人的には野菜充分のつもりだが、やはり肉祭りかな(笑)。

 テントの横で、肉をジュウジュウ焼いてると、結構風が強くて火が安定しない。もやしも飛んでしまう。それでも、肉だけは落とさないようにせねばっ。早く腹の中に入れてしまおう。

 飯の後、トイレに行くと、イマドキの子に声をかけられた。
 「どっからっすかー」
 「大阪!? めちゃ遠いっすね〜」
 「フェリー何時間すかー」
 「えっ、飛行機! めちゃリッチっすね〜」
 イマドキの兄ちゃんたちは、どんなこと考えながら、旅をしてるんかなあ。


肉400g焼きますジュジュッ〜
 今日の走行でアクロスの30万q達成まで、あと700kmを切った。いよいよ、カウントダウンですなあ。どこで達成するんかな。

 そんなことを考えながら、寝ていると、どんどん風が強くなってきて、テントが斜め45度に歪んだ。
 でもまあ、おいらが重石なんで、テントが飛んじゃうということはないだろう。

 この日撮った写真は、なんと400枚! そんだけ楽しかったんだねぇ。


その9へその7へ戻る
トップページへ