北海道ツーリング2002・その2


この時間がいい。何よりいい。
ノシャップの夕日

旅行期間:2002年7月15日〜7月25日



浜益温泉露天風呂
青空の下、素晴らしい開放感
■7月17日(3日目)
 曇りのち快晴

 小樽の朝。雨は上がっているけど、グレーの空。ムシムシと暑い。

 天気予報では、北海道の中で唯一稚内が晴れると言っている。これはもう北しかない。昨日は札幌から小樽までしか走ってないので、今日は走りたくってうずうずしている。行くぞぉ! まずは留萌を目指して出発!

 石狩を抜け、去年入った番屋の湯を過ぎ、とにかく距離を稼ぐ。留萌までが遠い遠い。でも、海が見える頃には少しずつ雲が切れてきた。走る方向の空が明るい。もうすぐ晴れるぞ。

 留萌を越え浜益を行く。ここに温泉があるというので入りに行く。浜益温泉だ。これがアタリ! 開放的な広い露天風呂を一人で悠々と占領する。善きかな善きかな。しかも、ついに空が晴れた。真っ青な空を見上げて、いい湯だな〜。

 あんまり気持ちが良くって、風呂でのんびりしすぎた。今日中に稚内に着けるかなあ。まあ、急ぐ旅でもなし。


 空は晴れているのだが、北上するに連れて、少しずつ風が冷たくなる。さぶいぞ、これは。

 海の上に島が浮かんでいる。キレイやなあ、このへんで島といえば……、あれっ? 利尻島や! こんなに遠くから利尻が見えたのは初めて。いつもはオロロンラインでようやく雲の中から現れるのに。こりゃ、利尻が歓迎してくれてるのかな。

 利尻を左斜め前方にとらえながら、アップダウンの丘陵地帯を走る。この国道238はバイクも喜ぶ道だ。比喩ではなく、本当に風と一緒に走ってる。



道の向こうに利尻発見!


左手に利尻を見ながら
オロロンラインを駆ける

 

サロベツ原野の近くで
雲が空に絵を描いていた

 初山別を抜け、でっかいオロロン鳥の像に挨拶。久しぶり現れた町のを抜けて、ようやく道道106へ。来たぞ来たぞぉ!

 日はだいぶ傾いて来たが、なんとか今日中に稚内に行けそうだ。よし、北の果てで夕日を見るぞぉ。フラットな106をひたすら走る。本当に滑走路みたいだ。利尻がどんどん大きくなってきた。美しい海に浮かぶ富士山だ。

 前にここを走った時は、新しい仕事をするかどうか迷っていた。飛べ飛べと叫びながら、この道を走っていた。そして今年ついに飛んだ。飛んだら、今度は羽ばたき続けなければいけないことが分かった。でもなんとか飛べた。
 そして、ここへ帰ってきた。2年ぶりに。遙かな地平線を目指して。


 夕日がどんどん傾く。なんとか滑り込みで、ノシャップ岬へ到着。まだ海に沈んでないぞ。間に合った〜。

 
 岬にはたくさんの夕日好きが集まっている。風が強いのでかなり寒い。とうとうジャケットを着る。あったか〜い。夏なのに(笑)。



夕陽に映える北の果ての灯台



夕日が沈んだあと
残照がまた素晴らしい
 沈む夕日をじーっと見る。1日走り続けてきたから、なんだかほっとする。沈む瞬間を望遠レンズで見ていたら、一瞬、太陽が真四角に見えた。錯覚かな? ほんとに見えたのかな?

 日が沈み、残照で空が紫に染まる。そして、少しずつ暗くなっていく。はらへった。

 


 
 岬の後ろにある、からふと食堂に看板に「無敵のウニ丼」を発見! 以前、このキャラクターが描かれたステッカーを見かけ、いつか店に行ってみたいと思っていたのだが、ここの店だったのか。

 入るとシャキシャキしたおばちゃんが、3000円か4000円のウニ丼を勧めてくれた。このおばちゃんこわおもてだが、寒かっただろうとお茶をくれた。あったまる〜。あとで知ったが名物おばちゃんらしい。

 3000円のウニ丼にする。これがうまい。ウニもうまいが、ここのホタテはサイコーであった。もう一度食べたいなあ。

 ライダーには、ステッカーとバンダナをくれるという。ありがとー。だから、このステッカーを貼ってるバイクを見たのか。

 帰り際、「どこへ泊まるの?」とおばちゃんに聞かれた。
「森林公園です」
「あそこはだめだよー、熊が出たから」
「え、え〜っ!」
「テントが襲われたんだよ」
「ま、マジっスか!?」
「今、あそこは立ち入り禁止だよー。ドームに張ればいいよ」
 まさに、ビックリ仰天。
 あの町の中の森林公園にクマが出るとは!
 よくぞ教えて下さった! ありがとー、おばちゃん。


これが無敵の生ウニ丼
ホタテがムチャクチャうまい



防波堤ドーム
向こうにチラと見えるのが赤アクロス
 フェリー乗り場にある防波堤ドームへ向かう。以前、たくさんのテントが張られてる光景を見たので、そのつもりで行ったら、数えるしかない。おかげで、好きなとこに張れるぞ。

 風がほとんどないので、あったかく感じられる。ジャケットもいらない。

 ビールを飲んで、ぼーぜんとしてると、兄ちゃんに「フェリーの時刻表を持ってませんか」と聞かれた。それなら、と目の前にあるホテルに入り、フロントで時刻表をもらってあげた。兄ちゃんは明日の朝、礼文に渡るそうな。

 兄ちゃんは初めての北海道。道東へ行ったら、霧で摩周湖も見えず、寒くて大変だったという。スピード違反で捕まったとか、荷物を乗せるためにキャリアを自分で付けたとか、いろいろ話を聞かせてくれる。

 旅の話をする時の兄ちゃんの目はキラキラしていた。10年前のおいらもこんな目をしてたんかな。新しい世代のライダーが北海道に来てるんやなあ、と思ったら、なんだかうれしくなってきた。

 この防波堤、夜遅くまで車が通りうるさいし、朝は5時頃から早朝フェリーで人が集まってにぎやかになる。それが気にならずに眠れる、おいらみたいな人向けのキャンプ場だ。


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