天草五橋の一つ目を渡ると、瀬戸内のしまなみ街道を思い出した。島と島を橋で繋いでるところや、よく似た風景を見かけるからだ。

　道の駅有明に差し掛かると「さざ波の湯」という看板を見つけた。こりゃいいわと朝イチから風呂に入る。こりゃ贅沢。さて帰ろうとすると、出口で、でこぽんを発見。このへんが産地なんやあ。

　天草に差し掛かる頃には青い空が垣間見え、陽射しが出てきた。途端に暑くなる。マスツーリングのバイクに追い抜かれる。やっぱりこのへんおツーリングルートなんやなあ。

　ところが、また曇りはじめ、いつ雨が降ってもおかしくない空に変わった。

　海岸線は見事なワインディングロード。これで海が青かったら完璧なのになあと、鼻歌を唄いながら走る。２日間雨だったので、快走する心地よさを味わう。ちょっとしんどいなあと思ったところで、売店があった。コーヒータイム。モノクロームの海を眺めて一休み。こりゃもう一度青い海を見に来にゃいかんなあ。

　船に乗って見つけたチラシに、さっきの牛深港のレストランで海鮮丼が食べられると書いてあった。しまったー！

　長島町に着岸。ついに鹿児島まで来たぞぉ。長島町温泉センターに行ったら、なんと休館日。とほほーと思ってたら、今度は雨！
　カッパを着て発進！　ところが、ものの１キロで雨が止む。こりゃあ！

　地図を見たら、この旅で一番行きたかった温泉が近くにあるのを発見（といっても２０キロ先）。温泉まで行ったら、今日のゴール鹿児島市内まで１２０キロ。時間はもう夕方の４時。どうしよう……。そりゃあ行くしかないでしょー！　距離なんてどーにでもなるさー。

　さっそく入浴券を買ってフロントに渡すと、「露天風呂に行かれますか」と聞かれる。「はい！」と元気良く答えると、案内をしてくれる。フロントの人の運転でてっぺんまで上がると、丁度女性客が降り待ちをしていた。残念！　混浴じゃないから関係ないけどね（笑）。

　雑念を払い、一人湯舟に立つ。マッパーである。下界が見渡せる。町が見渡せる。つまり下からも丸見えだ。どーだぁ！（笑）（女性風呂は木で見えないようにしてある）

　いやはやいい風呂だぁ。町が見えるだけに開放感はハンパではなか。まさに合法マッパーである。気持ちいい〜。遠回りしてまで来てよかった。

　降りるときは、フロントに電話して来てもらう。あんまり良かったので、運転するフロントのお兄さんに「大阪からこの温泉に入るために来ました。ほんと来てよかったっス」と感動を伝えると、喜んでくれた。このシーズン、天気が良ければ海に沈む夕陽が見られるんですよ、と教えてくれる。

　さあ、鹿児島へ行こう。もう５時半だけど。あと１２０キロ。なんとかなるさー。

　ここで高速に向かえばショートカットできたんだろうが、あえて国道３号線を走った。ジパツーの１２５マスターで関野さんが最近走った道だったんで、ぜひ走ってみたかったのだ。

　ところがあまくない。幹線道路だから混む混む。あっと言う間に日が暮れる。前に進まない。川内に入り一休み。ｉモード伝言板を見ると「哲さんタイヘンだ。本物の金沢明子さんがゲストブックに書き込んでるよ」だって。ははは、また誰かがうそっこしてるんかぁ。こっちはそれどころじゃありまおんせん！

　町の灯りが見えた。鹿児島だぁ。ふらふらになりながら宿に着いたのは８時半。ぷしゅ〜。鹿児島の常宿なので、迷わずに着けた。ここは安くて展望風呂があって、天文館通りが近いのだ。

画面上部の↓が露天風呂の場所
すごい高さや！

　腹はまだ３分。黒豚黒豚と探しているとあった！　十兵衛というとんかつの店だ。階段を上がるとアレッ？　見たことがあるぞ……。なんと、５年前に来たことがある店でした。５年経っても、行動パターンは変わらんのやなあ（笑）。

　ここの黒豚とんかつが絶品！　プリプリしたお肉がめちゃジューシー。一心不乱に食べてしまう。ああ幸せ。

　宿の展望風呂に入って、本日は終了。今日は３湯も入ってしまった。明日の予報は午後から晴れ。期待していいんかぁ？