■4月28日(4日目)
今日は遊ぶぞ! と勇んでエルランチョグランデという乗馬牧場へ。ウエスタン乗馬なんでモンゴルと同じ片手綱。気分はヤングライダーズ。さっそく1時間の外乗へ。
牧場を出て、車とすれ違いながら一般道を横切り、九重高原へ。一気に開放感を感じる。草原の風に吹かれながら、駆足で走るとモンゴルに近い疾走感! 気持ちいい! 最後はなんとアスファルトの上を駆足で! 馬とリズムを合わせながら、パカランパカランと音を立てて走るのは最高の気分だった。牧場の人は、みな人当たりのいい人ばかりでもう一度行きたい牧場がまた一つ増えた。
次はアウトライダー秘湯の旅でお薦めの壁湯温泉へ。この温泉は川沿いの露天風呂で、洞窟のように岩で覆われている。愛媛、神戸のライダーと一緒にぬるい湯にのんびり浸かりながら、「こんな暑い日は、昼間っから温泉に入るのが一番だねぇ〜」という話をした。
この日再び坊中キャンプ場でキャンプ。ここで会った広島の兄ちゃんは、モンゴルの友人の文ちゃんと同じく、仕事を辞めて旅をしていると云う。南の島に行きたいというので、ぜひ石垣、竹富、西表島へ行くんだ! と吹き込んだ。すると先日、西表島から絵ハガキが! もう夏です、と書かれており、これから北海道へ向けて旅立ちますと結ばれていた。
日本縦断の旅、うらやましい!
■4月29日(5日目)
どこへ行こうかと空を見上げると、熊本市方面が晴れている。その方向にある俵山峠に行くことにする。大観峰の反対側に当たるこの場所から見る阿蘇は距離が近いためにダイナミックに見えるし、弁当もうまい。
駐車場で、ぼくのバイクをじっと見ている少年と出会った。声をかけると、バイクが好きらしい。流行りのネイキッドやアメリカンより、アクロスのようなカウル付きが好きで、一番好きなのはGPZと言っていた。エライぞ!
展望台に行き、再び駐車場に戻ってくると、今度はその少年とお母さんが待っていて「さきほどはうちの子がどうも」という挨拶から話が広がった。おじさんの影響でバイクが好きになったのだが、小学生では話をできる友達もおらず、こういう機会にバイク乗りの人と話をするんです、とお母さんが教えてくれた。少年に「兄ちゃんは大阪から来たんや。旅はいろんな人と会えるから楽しいぞ」というと目をキラキラさせていた。
何年か後に、この子とどこかのキャンプ場で会えたらいいなあ、と思いながら俵山峠をあとにした。
■4月30日(6日目)
熊本から福岡へバイクを走らせていると、「無料露天風呂」の看板が見えた。杖立温泉とある。身を清めていくか、と温泉へ向かった。
駐車場には香川ナンバーのバイクが3台停まっていた。これは入ってるなあと思い、露天風呂に行ってみると、いたいた。野郎4人で朝風呂だ! いいご身分だねぇ〜。
そのうちの一人が、プロ野球横浜ベイスターズの大魔人こと佐々木投手にそっくりだったのだ。しかもアウトライダーTシャツを着ているではないか。「四国ミーティングに行きましたか?」と聞くと、「行ってない」との答え。惜しい! 四国ミーティングネタで盛り上がれそうだったのに。
次は、友人のオススメの夜須高原の森へ。「静かでいい所」というのは本当なのだが、運悪く女子高生の赤ジャージ軍団の遠足と遭遇してしまった。すべり台もブランコも占拠され、黄色い歓声の飛び交う阿鼻叫喚の世界と化していた。
次の目的地は太宰府。以前来たことがあるのだが、もう一度、梅ヶ枝餅が食いたくって来てしまう。毎度のことながらどの店で買うか迷ってしまう。手で持てないほど熱い餅を頬張る。まんぞく。
今日はホテル泊。夕方、にぎやかな天神の街に到着。夕飯までの時間つぶしに岩田屋に入る。大好物の回転焼きのいい匂いがしてきた。(こりゃあおいしそうやなあ。でも、今日はご馳走や。食べたらあかん)
回転焼きの誘惑と戦っているうちに6時になり、今日の宴の沖縄料理の店で、よく冷えたオリオンビールを思いっきり飲んだ。うんまい! ミミガー、ゴーヤチャンプルーもうんまい! 幸せであった。
■5月1日(7日目)
福岡ICで九州に別れを告げた。一路、岡山へ。大学時代の友人宅を目指し高速をひた走るのだが、疲れた。SAで休んでると、えらく威勢のいい背の高い怪しいおじさんに声をかけられた。
「さっき、走ってたバイクの兄ちゃんやな。」
「はあ、そうです」(ちょっとヤバそうやな)
「追い越す時、見てたんやけど、うまいこと荷物積んでるなあ、わーはははは!」
「ああ、どうも」(なんかゴーカイな笑いや)
「わしも昔バイク乗ってたんだ、わーはははは! これからどこ行くんだい?」
「九州走って、大阪に帰るとこです」(オッサン、力余っとるなあ)
「旅はいいな、わーはははは!」
ちょっと危ない、でもぎりぎりセーフのおじさんとの出会いであった。
■5月2日(8日目)
昨日は風呂入って即寝てしまった。語り合えなかった友人が、「よっぽど疲れとったんやなあ」と驚いてた。ツラの皮をひっぱっても起きなかったそうだ。
天気はどんどん下り坂。高速はエライ強風でバイクが飛ばされそうだ。フルカウルのアクロスは横風に弱い。コーナーでもないのに、横風で車体を斜めにして走っていた。
でも夕方無事帰宅。
いろんな人に逢えて、ホンマにオモロイ旅でした。次は夏やー!
(モーラー通信(31,32,34,36,37) +モーラー文庫より抜粋)
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